妊娠初期の段階から、少量の出血は度々。
大量出血も10週の時に一度経験していて、どうやら絨毛膜下血腫(胎盤ができる過程で出血
してしまって、血の塊が子宮内にできてしまうこと)という診断でした。
血腫は大きくないし、いずれ体内に吸収されてしまうから心配は無用、
でも胎盤が完成する安定期に入るまでは、無理は禁物と言われていたのですが。
ちょうどクリスマスツリーを出した二日後の週末。
クリスマス前のショッピングをどうしてもせねばならず、大混雑のショッピングモールへ。
いつもなら、疲れやすいから30分に一度くらいはモール内のソファに座って
休憩を取るのですが、大混雑と買い物に忙しく、うっかり2、3時間継続して
歩き回ってしまったのです。
買い物でグッタリ疲れて、外で夕食を済ませて帰ってきて、トイレに行ったところ・・・
トイレが真っ赤になる大惨事!
ここで普通なら叫んで、主人を呼ぶところなのですが。
なにせ血を見たら失神しかねない主人を持つ私は、冷静沈着に一人で処理。
お腹の痛みがない限り、大量出血してもそんなに心配することはないから…と
お医者さんには言われていたので、妙に冷静な私。
だけれど、出血は蛇口をひねったようにジャージャーと流れ出て
いくらタオルで押さえても、一向に止まる気配なし。
私よりも取り乱して心配した主人に連れられ、結局救急病院へ行く事に。
車から降りて、立って歩くだけで、血が体内からジャーっと流れて行く感覚。
こんな気色の悪い経験は初めて。
実は救急病院は、2年前に子宮外妊娠をした際にも来ているので2度目。
今回は緊急度が高かったからか?
ほとんど待ち時間もなく診察してもらえました。
簡易超音波にて、胎児の無事は確認できたのだけれど、
とにかく出血がひどいので、歩行禁止となってストレッチャーで救急病棟に
運ばれまして、そこで一泊し検査を継続しながら、
明朝一番でさらに詳しい超音波をすることに。

▲泊まったのは、救急病棟内の個室。
なかなか広くて快適です。

▲ベッド後ろにある、さまざまな医療器具。
主人が一旦自宅に戻って、私の化粧落としやら、歯ブラシなどを
持ってきてくれる間に写真撮影…。
出血しているというのに、結構余裕かましている私なのでした。
途中ナースが来て、夜食がいるかどうか確認しにきてくれました。
お腹いっぱいだったけれど、カナダの病院食に興味があったので、
当然答えは「YES!」。
▲うわっ!出た!
エコノミーな機内食よりひどいなぁ、これ。
ちなみに、チーズのサンドイッチで、次の日は
ツナサンドでした。他にリンゴジュースとゼリー、クッキーが入っています。

▲主人も一緒に宿泊していいかと聞いたら、
ベッドは用意できないけれど、リクライニングチェアなら
あるので、どうぞどうぞと用意してくれました。
いわゆる、エコノミーな機内席レベル。
一泊なら悪くないです。
それにしても、深夜の救急病棟とは凄まじいです。
目の前にあるナースセンターでは、ナース達が声を静めることなく
おしゃべりしているし、遠くから嘔吐の声や、泣き叫ぶ声が聞こえてくるし
2時間置きにバイタルチェック(体温、血圧、脈拍測定)があって…
熟睡なんて出来たもんじゃーありません。
次の日、早朝から超音波検査をしたり、血液に羊水漏れがないかどうか、子宮頚管の長さは
大丈夫か、ちゃんと子宮頚管が閉まっているかどうか、胎盤は正確な位置に
あるかどうか(前置胎盤じゃないかどうか)など延々と検査が続き、やっと
すべてオッケーが出て、夕方に解放されました。
ナースの皆さん、本当に至れり尽くせりで優しくて、妊婦なナースさんも
いたので、元気づけてもらったりと、私としては満足のいく救急での体験でした。
子宮外妊娠の際も思ったのだけれど、日本と比べて、カナダのナースは
基本的に心底明るくて、こちらが滅入りそうな時でも、ジョークを織り交ぜながら
会話してくれるので、なんだか落ち込んでいるのもバカバカしくなって
一緒に笑ってしまっていると、「なんとかなるかー!」なんて思ってしまう
魔力を持っている気がします。
こうやって病院へ行くと、嫌でも医療用語を英語で喋らなくてはならないし
私にとってはいい勉強になりました。
もう二度と救急はごめんだ!と思っていたのだけれど、
また2週間後行くことになるなど、このときは思ってもいませんでした。
・・・A Night in Emergency part2へつづく